コマミー

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離のコマミーのレビュー・感想・評価

3.8
【その恋は日没前に】


[気まぐれ映画レビューNo.102]



私が本格的に映画好きになったキッカケとなった作品たちがある。

1つ目は「オーシャンズ11」、2つ目は「A.I.」、3つ目はこの"「ビフォア」三部作"である。


言わずと知れた"リチャード・リンクレーター"監督の代表作であり、世界中にファンが多い作品だ。
他の恋愛映画にはない、主役の2人が"淡々と喋る会話劇"がこの作品の印象として相応しいだろう。だが、ただ淡々と喋るのではなく、その中では実際の"初恋のカップル"のような、お互いを"気遣うような素振り"を見せたり、それが口論に達したりと、"会話のリアル性"を追求したのが本作なのである。

シーンもほぼ完全に2人だけに当てられている。それゆえにお互いの"心情の変化"を追うのに集中でき、2人の今後を"更に追ってみたくなる"と言う魅力が芽生えるのだ。"イーサン・ホーク"と"ジュリー・デルピー"の自然さを追求した演技も、"作品の顔"になっていて良い。

本作はこの後にあと2作、続編が製作される。
このシリーズのもう一つの魅力として、非常に"親近感の湧く歳の重ね方"をしている。
昨日まで他人だった2人が、お互いの良さ悪さを知り合いながら成長していく姿が見ててとても"心地いい"。

そんな心地よさを追求したのが、このシリーズなのかもしれません。
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