映画作品としての出来、という評価の別軸として、「自分のメンタリティにぶっ刺さる」作品ってあると思います。
本作、完全にそれです。
私、この「ネトラレ」的なシチュエーションに弱いことに改めて気づいた・・・。その時点で胸を締め付けられてしまう。
あと、こういう、人格をリアルに描くというか、矛盾をはらんだ存在として人を描く作品、好きです。
さて、中身について述べると、とにかくやはり峯田さんのはまり方。これは異論がないところだろう。
松田龍平演じる「青山」のむかつくけど強者であるのは認めざるを得ない、だからこそ存在自体が非常な感じとか、
黒川芽以演じる「ちはる」の頭悪い結果としてのビッチな感じとか、
いやもうこういう人いるわ・・・という。存在の説得力がすごい。
他の役者陣もすごく良かったです。
一方、ストーリーとしては、リアルさというか。非情さというか。
最終決戦の結果なんか、そりゃ実際そうなるよね、という身も蓋もない感じ。
最後のちはるとの別れを見ても、田西の支離滅裂な発言も、ちはるのぶれにぶれたリアクションも、「いや、人ってこうじゃん。。矛盾やら欺瞞やらなんやらかんやらを内包して、それを社会とぶつけて擦り減らしながら生きてんじゃん」という、私のめちゃくちゃく好きなタイプのリアルさが描かれていて、そこら辺も私のメンタルをぐいぐい攻撃してくる感じ。
見終わった後、久しぶりにこの「まだ世界から言語で切り取られていない感情」を味わってしまった。。
「よかった」と一言でいうのも違うというか。映画として普通に楽しく観られる作品だと思うんだけど、それ以上に、個人的に「くる」映画でした。