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カラビニエの10000lyfhのレビュー・感想・評価

カラビニエ(1963年製作の映画)
3.0
兄弟が徴兵され戦争に行き、「戦利品証明書」として大量の絵葉書と共に帰還後、国が敗戦し処刑されるまでを描いた反戦寓話。冒頭のボルヘスの引用どおり「単純」で「陳腐な比喩」で、安く早く、表現的にはシンプルに、メッセージ重視で作られた作品。時代性だろうが、反戦と反資本主義はミックスしない方が良いと思った。素人俳優たちの下手な演技を利用した間の悪い演出(冒頭のカラビニエとの揉み合いをはやし立てる女性たちなど)は、当時は新鮮な表現だったのかもだが、今観るとイライラする。実際の大戦の映像(空爆、艦隊、死体)を多用、それは良しとしても、全体に映像や編集での見どころは少ない。「鉤を取ったハーケンクロイツ」はヒンケルへの、映画館でスクリーン上の列車が向かってくるのに驚いたりヌード女性に向かって行ったりするのは、映画黎明期の観客反応へのオマージュだろう。劇伴は古風なオルガン、ドラムロールなど限定的な素材を断片的に反復使用。反戦表明にはこんな方法もあるというのが学び
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