ろ

ファントム・オブ・パラダイスのろのレビュー・感想・評価

5.0

‘雷が轟き、稲妻が走り、夜が恐怖に満ちようと、そんなことどうとでもなれ!’

足りない、カルトが足りない・・・!
皆さんはカルト不足になることありませんか?(ないよ)
そんなときおすすめなのが、脳内・映画秘宝。今まで読んだ映画秘宝のページを頭の中でめくっていくんです。(?)
その中から今日は「ファントム・オブ・パラダイス」を観てみました。

新設されるパラダイス劇場の興業に向け、オーディションが開催された。
そこに現れたのは無名の作曲家ウィンスロー・リーチ。
彼の曲は敏腕プロデューサー・スワンの耳に留まり、デビューが約束される。
ところが、いくら待っても連絡が来ない。
リーチはスワンの豪邸を訪ねるが、仕組まれた罠により投獄されてしまう・・・。

なぜか刑務所で歯をすべて抜かれ、うっかりプレス機に顔を突っ込んだためにリーチの顔面はボロボロ。
銀色のマスクで顔を隠しながら、スワンに復讐しようと乗り込むものの、なぜか契約を交わすはめに。
パラダイス劇場、そして愛しの彼女のため、彼は部屋にこもってロック版ファウストを書いていく。

薬漬けにされ、曲が完成すれば用無しとばかりにコンクリートで部屋の入り口を塞がれる。(ひどい)だけど、なぜかリーチの絶叫で壁は崩壊。俺の書いた曲は彼女にしか歌わせないんだと、シャワー中の男性歌手をラバーカップ(トイレの詰まり直すやつ)で脅すも失敗。
そうこうしている間に、ステージではスワンと彼女の結婚式が始まろうとしていた・・・。

自らの命と引き換えに悪魔と契約を交わしたスワンとリーチ。
永遠の美を望んだスワンの顔は焼けただれ、音楽家としての成功を夢見たリーチの曲は変わらず流れ続ける。
二人は一心同体のように死んでいくけれど、その結末は正反対だ。

「ロッキー・ホラー・ショー」や「トミー」のようにツッコミどころ満載なロックミュージカル。
天窓から見た光景に愕然とするリーチ、それを監視カメラ越しにガン見しながらほくそ笑むスワンがあまりにも鬼畜!「サイコ」のパロディもデパルマさんにかかればコメディになってしまうんだなと新鮮でした。
エンドロールで流れる音楽がとにかくかっこよかった。

‘ダラダラといつまでも生き続けるより、思い切りよく燃え尽きよう’
ろ