このレビューはネタバレを含みます
南北戦争前の米国南部の奴隷制度をありのままに描写。学問や宗教はもちろん識字も許可しない、屈強な男性は娯楽用の戦闘奴隷にする、年老いた奴隷は毒殺、といったルールや慣習に加え、支配者と被支配者の関係における、セックスの果たす役割の描写が生々しい。家畜のように繁殖させられる奴隷たち、奴隷女性の処女を奪う特権を持ち、白人女性との結婚やセックスは後継者出産のための義務とみなし、黒人女性との気楽な快楽に耽る白人男性、それへの報復として黒人男性を誘惑する白人女性、その情事から生まれた子供は絞殺。当時の商業映画の職人監督なのだろうが、プロダクションクォリティがそれなりに高く、奴隷制度をとりあえず「感じる」には最適な 1本だろう。最初、途中、最後の奴隷売買シーンで流れるマディウォーターズが刺さる。他の劇伴は、妙にセンティメンタルで安っぽく、時おりアフリカ的パーカッションが安易に入り、作曲者の意図かは分からないが、作品の胸糞具合を効果的に高めている
