エディ

セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズのエディのレビュー・感想・評価

4.2
ハリウッドの映画産業を憎悪し、理想の映画作りに燃える過激思想の映画テロリストたちによる映画作りに巻きこまれた落ち目のハリウッド女優を巡るブラックコメディ。随所に様々な映画のネタが投下されるので、全ての映画好きに送る変態カルト映画といって良いと思う。映画好きならなお楽しめる最高の映画。

人気落ち目だがプライドだけは超一流で性悪のハリウッド女優ハニーがボルティモアの映画館のプレミア上映の舞台挨拶のために訪れたところ、突如テロ事件が勃発、舞台は爆破されハニーは謎のテロ組織に拉致されてしまった。
そのテロ組織は映画をこの上なく愛するが故に、今のハリウッド的な映画作りに敵意を持つ狂信的なカルト主義者だった。彼らは理想の映画を実現するために「狂える彼女」という映画をテロ行為を続けるドキュメンタリー的な作品として制作していて、ハニーはその主人公にされてしまったのだ。ハリウッドの悪さを象徴するようなハニーは最初は困惑していたが、だんだんと映画テロ集団の思想に染まっていく。。。

テロ集団といっても可愛いものだ。彼らが憎むのは、ハリウッド的な拝金主義や勧善懲悪的な映画や、映画館に上映途中から入ってくる奴や映画館で上映中に話す奴らなどだ。なので、かなり共感できるところがあるし、随所に「あるある!」と笑ってしまうシーンが頻発する。

「パッチアダムズ」をここまでディスって大丈夫か?とか、「フォレストガンプ」の爆笑妄想続編など、かなり映画を観ている人にとっては、随所で笑える映画だと思う。
ジングルボール、ガンプ・アゲインは腹が痛くなるほど笑ったし、「人生はカニに似ている 真ん中は美味しいけど端はクズ」という迷言?を聞いたときは思わず吹きだした。

最初は悪しきハリウッドの象徴として意図的にハリーの不快なシーンが続くので腹が立つし、急展開で訳判らないじゃんと思うかもしれないけど、映画好きなら絶対笑えるし、最後はかなり共感してしまっていると思う。
エディ

エディ