Masato

ヴィレッジのMasatoのレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2004年製作の映画)
3.9

盗作疑惑が絶え間ないシャマラン監督ですが、私は擁護派です。まあ、パクリなんて言ったらキリが無いですからね。だからといって、イスピレーションをされたものを指摘されてもしらばっくれるのはこの監督の良くない所。タラちゃんを見習って。

という、どうでもいい話は置いといて。

あらすじは、とある農村。村の外には恐ろしい怪物がいると言われているため、村の外には絶対に出ることは許されない。しかし、主人公のアイビーは恋人を助けるために村の外へと出ようとする。

シャマラン監督というのは、表面上のホラーやスリラーなどが進行していくと同時に、どんでん返しで感動のドラマが並行していることがわかる。というのが常套手段です。自称「感動ホラー」ですね。これが大好きでちょっとシャマラニストです。

いつものどんでん返しはシックスセンスほどではないが、見ていて「はぇ〜」とはなる。それよりも、ロジャーディーキンスの撮影は流石というべきか。お得意のモヤを使った薄気味悪さや立体感。そして、閉鎖的空間を体感させるカメラワーク。森はもちろんのこと、村でさえもどんなマップをしているのかがわからなく。とにかく、主人公の行くままにしか見ることができないというのが、非常に上手い。

愛の力はどこまでも強く、逞しい。愛こそが原動力なのだ。というメッセージが含まれていて、ホラーとの落差によってより強調されている(いつものことだが)。
その「愛と平和」のメッセージ性からして、社会的背景といえば、本作は「ヒッピー文化」のメタファーとして描いてるようにも思える。Libertyの社会に疑念を持ち、Freedomな社会を築き上げるその様はまさにヒッピーだ。社会的弱者はなにものにも太刀打ちできない。現代ではマイノリティの声が届くようになってきたが、昔は弱者の声など届きもしなかっただろう。そう思うと、「彼ら」の想いは実に辛く切ない。

ブライスダラスハワードが可愛いのなんの。ロンハワードの娘なのだが、良い娘を持ったもんだ(ムフフ)。

追記
今作も「傷ついた人間」の物語でしたね。あのラストは、ある意味村の人間にとって「再生」となったでしょう。


主観的評価 39点
客観的評価 39点
78点
Masato

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