ぼぶ

天使のくれた時間のぼぶのレビュー・感想・評価

天使のくれた時間(2000年製作の映画)
4.4
愛し合っていた彼女と愛を誓って乗った飛行機…その後ウォール街をブイブイいわすお金持ちの社長にはなったけど、その彼女とは自然消滅して、充実してるけど独身で
少し人恋しい日々。
そんな中クリスマスの夜に、パンチの効いた天使のせいで、その飛行機に乗らなかったらの、“たられば”の平行世界へ飛ばされて、彼女と結婚して子供もいるけど庶民な日々を送っている、慣れない日常を味わうことに。
最初は嫌だった慣れない庶民の日々…だけど、友情を知り、深まる夫婦愛や子供への愛情が生まれてきて…でもそうなるとまた元の世界に…人が変わった今、逆に彼女は旅立とうとしている…どうする!みたいなお話。

これはもう最初に言えることだけど、僕はめっちゃ好き。僕はね。
でも観た人の総意では無いとも思う。
人生観というか、人生における何にプライオリティを感じるかで、この映画の受け取り方は大きく変わりそう。

僕自身は、一応それなりの教育を受けてきて学歴も資格もあるものの、スーツ着て辛い仕事をして大金持ちになるよりは、好きなことをしてるだけなのにそこそこ庶民的に暮らせたらハッピー◎という人生観で、音楽家をしている。だから、毎日タイコを叩いて、映画を観て、大きなお風呂に入って、お酒を飲んで、それでもうかなり幸せ。
なので、ケイジが最高と言い張る上流階級の暮らしに全然グッとこない。
それよりも、あんなに愛の深い奥さんがいて、賢く可愛い子供2人を育てられて、郊外でも家を持ち、デカい犬もいて、ボロくても車もあるなんて、スーパー幸せに思えてしまう。
だから、帰りたくなくなってみんなに挨拶して、睡魔と戦うケイジが最高だった。
ちなみに、平行世界への行き来の時だけ、顔半分が照らされて片方が闇というこだわり演出も◎

こういう映画は、お金と愛、上流階級な仕事で高級な暮らしと平凡な仕事で庶民の暮らし、こうした構図になりがちで、だいたいはどちらも後者が良いとされて、ハッピーエンドとなることが多い。
それじゃあベタだよね、とも思うので、この2人とも仕事はぶん投げたけど、結末は想像に任される感じはすごく良かった。

そして特筆すべきは、ティア・レオーニがめちゃんこウルトラスーパー可愛いうえに綺麗で、しかも奥さんとしても一人の人間としても出来てるうえに、健全にエロくて、そして何よりも愛が深い。本当に愛してるから住所でも住む環境でもなく、2人でシェアした家も捨てて、子供2人も抱えて、あなたを選ぶわ…なんて、涙が出る名台詞と名演技だったと思う。
脇役のキャラ立ちも良く、職場のアランや、浮気を誘惑してくる近所の女の人も綺麗だった。

宇宙人のくだりもクスリとくるし、結婚記念日もグッとくるし、何より小さな日々の幸せがいたるところに詰まってるのが、僕には響いた。
学生時代からずっと好き、ラララララの意味は君を愛してる、とかすごく素敵だった。
いつの、どこの、ケイトも最高だったなーーー!!!
ぼぶ

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