やまモン

大誘拐 RAINBOW KIDSのやまモンのレビュー・感想・評価

大誘拐 RAINBOW KIDS(1991年製作の映画)
3.6
【円?○?¥?】

岡本喜八監督の最後の作品。
若い頃の作品のような切れ味は影を潜めているけど、穏やかさの中の毒やメッセージ性は健在です。
一人の老富豪に国も世間も若い衆も、いいように遊ばれてしまう訳ですが、このあたり、世の中も常識も笑い飛ばす、そして国家に対する批判精神旺盛な岡本監督らしいのかなぁ、と感じます。
内容については、台詞一つ一つから出演者の細かい所作まで良く練られていて思わず笑みがこぼれてしまうほどに面白い。
そして、樹木希林さんと緒形拳さんが登場すると、作品が引き締まって広がっていく。既にご両人とも故人ですが素晴らしいですね。
岡本喜八監督の作品は、今、後生大事に思い込んでいるモノ達から私を解放してくれているかのようでした。