このレビューはネタバレを含みます
【長い序章】
長々と語られる色情狂の告白は、一体何のいみがあるのだろうかと、首を傾げたくなる内容で、私もおそらくセリグマンと同じ気持ちであった。
一つ言えることは、人生には、若い時期も年老いてからの時間もあり、良い時もあれば悪い時もあるということ。
若い時分には、多少の無茶も若さで何とかできる面もある。
この前編では、ジョーは若く美しい。
若さ故の無邪気な傍若無人ぶりも、若さ故に許されるものなどであろう。
前編は、ジョーの身の上が暗転しそうな状況で終わるが、ここまで見て、恐らく、前編は後編のためのとても長い序章であったのだなと納得できた。
それにしても、作品そのものがとても傍若無人で、よく日本で公開できたものだと感心した。
モザイクが一切無いので、人間のナマの部分が文字通り常に曝け出された状況。
男女の性器に対しては、恐らく色々な意見があるかとは思うが、何かしらの付いているのが人間なのだから仕方がない。
しかし、あまりにも赤裸々な表現は、時としてショッキングなものでもあるということを認識できた。
このような作品に巡り会えるのも、良い時代に生まれたからであろう。