このレビューはネタバレを含みます
【人間は本当に人間なのか】
長い長い前編を経て、ようやく本番のスタートといった感じである。
こちらは落ち目になっていくジョーが描かれており、前編以上にグロ、というか闇深いシーンが多い。
誰しも経験することなのかも知れないが、若さで何とかなっていた無茶苦茶が年齢を重ねると対処できず、どうしようもなくなっていく。
特に若さゆえの美しさで世間を渡ってきた者たちは、冬の時代に備えていないことが多いものであろう。
人間の醜い部分が多く、希望の光が差しても、それが無惨に踏み躙られていく。
世の中は上手くいかないことが殆どだ。
肉親の死や、信頼した者の裏切り、自傷行為や病い。
そして最後には、救いようのない結末が待っている。
人間関係とは本当にどうしようもない愚かな生き物なのか?
理性などというものが本当に存在しているのか?
色々な疑問が浮かぶ。
結局人間は、最も愚かな動物なのかも知れない。
シャルロット・ゲンズブールは素晴らしい女優だと思うが、それだけにとても疲れを感じた。