トンガリブーツにリーゼント、民族音楽を武器にアメリカ進出?!
数々の挫折を味わいながらも仲間とともに成功を目指す…などというバンド映画のセオリーを見事に外した脱力系ロードムービー。
…案の定、彼らの音楽はアメリカでは全く受け入れられず、書籍で初めて認知したロックンロールやカントリーを調子ハズレにコピーしながら次なる目的地メキシコを目指す珍道中。
どこかアメリカっぽくない、日常から少しズレた異空間を旅する彼らの行動はシュールでハチャメチャ。けど会話が最小限に抑えられている?のでうるさくはないのです。
先行きの不安感と小笑いがラストまでじんわりとつきまとう、アキ・カウリスマキ監督ならではの摩訶不思議な世界観が堪能できる作品。
賛否が分かれてしまいそうですけど、自分にはなんとなく「バグダッド・カフェ」の匂いを感じてしまうので、実は相性が良いのかも知れないと思ったり。
今後大好きな作品になりそうな予感。
5年後が描かれる続編『レニングラード・カウボーイズ モーゼに会う』もレンタルDVDでは続けて観ることができます。