このレビューはネタバレを含みます
「傷ついた心が、共鳴する。」
007マニアのタランティーノが監督を熱望したほどの新生007は、今まで描かれた事のなかったシリーズのエピソード1であり、英国スパイのジェームズ・ボンド誕生の物語。
そして前編・後編というシリーズ初の2部構成。
新人スパイが殺しの許可証を持てる《00(ダブルオー)》の地位へ昇格するところ から始まり、上司のMに怒られながらも突っ走る無鉄砲っぷりを発揮。
アストンマーチンDBSによる驚愕のトンネルカーチェイスなど『ボーンアイデンティティ』以降のリアルスパイ路線の凄まじいアクションが満載。
ボンドの拳銃も『007/トゥモローネバーダイ』以来のワルサーPPKが復活。
アグレッシブに攻める姿勢と、若さゆえの失敗もあり、未経験ゆえの危機もあり、しかしその無鉄砲さが伏線になっている。
そして物語はクレイグ=ボンドの第三弾『スカイフォール』へと続く。
これは一人のスパイの壮大な成長物語。
「昔はもっと善悪がはっきりしていた。今は悪者とわかっていても、利害が一致すれば交渉する。」