ブサ猫太郎

ミザリーのブサ猫太郎のレビュー・感想・評価

ミザリー(1990年製作の映画)
3.7
小説家ポール・シェルダンは自身のヒット作『ミザリーシリーズ』を終わらせ、新たな作品を作るために別荘で執執筆活動に打ち込んでいた。無事に作品が完成したポールであったが、帰りに吹雪に巻き込まれ事故に遭ってしまう。ミザリーシリーズのファン、アニーにより一命を取り留めたポール。しかし、ポールが『ミザリーシリーズ』を終わらせようとしていることを知ったアニーは本性を露わにする。

自身の読者に監禁される中で新たな作品を執筆する物語✒️

怪我でまともに動かせない身体、タイプライターしかない殺風景な部屋、完璧な作品しか許さない読者。ある意味作家にとって究極の缶詰め部屋を描いたようなスリラー映画。

そんな環境に突如として放り込まれたポールは悲劇としか言えない…しかも、アニーから要求されたのはポールとしては完結させたい『ミザリーシリーズ』。コナン・ドイルにおける『シャーロック・ホームズ』もだけど、作家の描きたいものと読者が読みたいものって往々にして合わないよな。

そんな地獄でもポールは諦めることなく執筆活動を。あれだけ嫌がっていた続編にも関わらず書けてしまうのは流石としか言えない。ってか、あまりにも順調過ぎないか?

だからこそ、保安官が撃たれてからラストまではハラハラドキドキの連続!アニーの異様なまでの執着心は恐怖そのもの。

それにより、ポールにとってはミザリーと共に永遠の存在になってしまったことが皮肉的。