エジャ丼

メメントのエジャ丼のレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
3.9
「10分前、俺は何をした?」

前向性健忘という記憶障害により数分前の記憶=新しい記憶を忘れてしまうレナードは、手がかりとなる記憶を忘れないため身体中にタトゥーを刻みながら、その障害を患うきっかけとなった妻の殺害事件の犯人を追っていた。

かなり異色の、記憶の消失を区切りに時間が逆行して物語が進んでいく映画。加えてそれと並行して正しい流れでもうひとつの物語が進んでいく。2つの物語が繋がるとき、一体どう展開していくのか。

シーンが切り替わるときが記憶がリセットされた合図。車に乗っていようが、誰かから逃亡していようがその瞬間から新しい記憶が始まる。加えて物語はラストから巻き戻して進んでいくため前の場面で何が起きたのか、レナードも観ているこちらもわからない状況、しかしこの映画は種明かしがしっかり用意されているので謎がほったらかしにされて終わることは無いのだが、モノクロパートの同時進行により二つの物語を同時に理解し頭の中で結びつけなければならないため一度で全て理解するには非常に難解な映画となっている、少なくとも二回の鑑賞は必須であろう。最近で一番時間の経過が早く感じた映画。