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アルゴの10000lyfhのレビュー・感想・評価

アルゴ(2012年製作の映画)
2.5
1979年のイランアメリカ大使館人質事件の発生時に、大使館から脱出しカナダ大使邸に隠れた 6人のアメリカ人大使館員を、架空映画「アルゴ」のロケハンチームに仕立て上げ、イラン国外に脱出させる CIA 職員。鑑賞中は、過剰なギリギリセーフ脚色が創出するサスペンスを堪能したが、観賞後には、露骨な脚色から、実際はこれよりずっとユルかったんだろうな、という、史実に対してはある意味マイナスな印象を持つに至った。加えて、釈然としない点も多い。筆頭は、すでに 60名以上の人質を確保しているイラン側が、6名のアメリカ人の国外脱出を血眼で阻止するだろうか?ということ。さらに言うと、実際には 60名以上の人質の救出にも多大な努力がなされたことは疑いようがないものの、本作の商業的成功により、そちらが霞んでしまい、6名の救出が本事件の肝であったかのようなイメージが、大衆文化レヴェルでは形成されかねない。史実ベースのエンタメ大作の、素材の選定や描き方による社会的影響の功罪について、考えさせられた
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