＊ノーマン・ジュイソン死去…過去レビュー再録
夫に先立たれた３７歳のロレッタ。知人の中年男ジョニー・カマレリに突然プロポーズされ、軽い気持ちでOKしてしまう。ジョニーには結婚にウルサい母がパレルモにおり、現在危篤状態で病床にあるという。母が死んだら挙式しようというジョニー。そのマザコンぶりに呆れながらも、見舞いのために出発するするジョニーを見送るロレッタだった。
出発直前、ジョニーはロレッタにあるお願いを託す。それは、５年前から絶交状態の弟ロニーのことだった。ロニーを式に招待して、何とか出席させてくれと頼むジョニー。ロレッタは了解し、翌朝ロニーに会いに行く。ロニーは独立してパン屋を経営していた。気難しい顔のロニーに、ジョニーとの結婚話を切り出したところ、いきなりロニーは激昂、「俺は兄貴のせいで婚約者も左手も失って人生メチャクチャだ！なのに式に出ろってか！冗談じゃない、いまここで死んでやる！」と叫ぶのだった。何のことはない、５年前、ジョニーのオーダーを聞いているときにパンのスライサーに左手を挟んで切断の憂き目にあい、それが元で恋人と別れた、という顛末なのだが、相当ジョニーを恨んでいるようだ。ロニーの部屋で彼をなだめるロレッタだったが、その情けない顔を見るうちになぜか恋に落ちてしまう。そしてそのままベッドインしてしまうのだった・・・
「月の輝く夜に」
優柔なアラフォー女性の恋愛を、イタリア系家族特有のユーモア溢れるサイドストーリーで味付けしたコメディ。若きニコラス・ケイジがロニーに扮し、情熱的かつ神経質な男を好演しておりました。音楽や料理のシーンにも見所があり、気楽に楽しめる一編です。
