【男も愛嬌】
ストーリー自体は、荒唐無稽と言うか何ともヘンテコで苦笑いが止まらない感じなのだが、昭和の邦楽のような妙な暖かさを感じる作品であった。
両親に凄まじい嘘をついてしまい、嘘に現実を合わせる羽目になってしまった主人公。
その主人公にいきなり拉致されながらも、途中からは彼の妻をノリノリで演じてしまう女。
彼らの掛け合いは最早昭和のコントのようであり、そこに主人公の両親が加わると、あらぬ方向へと逸れていってしまう話も収集不能な喜劇でしかない。
そして主人公の適度なヘタレぶりと、最後のある意味での潔さ。
ポンコツだけど愛されるキャラクターである。
観る者全てを唖然とさせる作品である。
でも、後味は意外と悪くなくて、何となく寅さんを連想したのは私だけであろうか。