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バッファロー’66のAKALIVEのレビュー・感想・評価

バッファロー’66(1998年製作の映画)
5.0
あえて露悪的に書いてみると、映画界の「芸術家」と真に「芸術家」たらんと試みた本作のVincent Galloとの差は、前者の態度が、おい!カメラ回してくれ!なんだありゃ!?すげぇの撮っちまった!これ編集で繋げる?!、であるのに対して後者の態度が、みんな準備はいいか、アクション!、カット!後ろ!通行人が映った。止めとけよ。おい女優、こういう視線だからねこのシーンは。、という違いなんです。

「映画とはイメージなんだ」ーーまさに、この映画も全て「イメージ」で出来ている作品だ。『The Blues Brothers』(1980)はMob sceneが凄すぎて(!)(笑)「イメージ」だけで作っていたはずが、気付いたらやっぱり"色んなモノ"が入り込むという幸福な事故だったんだけれど、本作はそれも徹底して排除していっている。そしてそれを観てどう思ったか?

うーん。やっぱりもっと雑でも良いんじゃないかな?笑って感じます。でもそこはVincent Gallo、恐るべしで。Christina Ricciが良かったです。彼女、当時弱冠18歳。子供顔のまま大人になる人だ。ちょっと不気味ですけどね。

Vincent Galloはこの後、全く仕事が来なかったらしい。なんだか分かる気がする。時代と並走するのは難しいです。Galloはまた自身の復帰を願っているのだろうか?表舞台からは完全に消えているように感じるが、いつか、またとんでもない女優を見つけてくるのかもしれない。Wikipediaを観ると、Galloは、私はドナルド・トランプが大好きで、彼がアメリカ大統領であることを非常に誇りに思っています。そして、それがあなたの気分を害するなら、ごめんなさい。と言っているそうで、これでハリウッドからはほんとに消されたのかもしれない。

Vincent GalloとNatasha Lyonne好きとしてはMatthew Bright監督の『Freeway II: Confessions of a Trickbaby』(1999)は観ておきたい!
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