彦次郎

悪魔の彦次郎のレビュー・感想・評価

悪魔(1972年製作の映画)
3.3
18世紀ポーランド、国王暗殺の科で精神病院に収容されていた髭面青年ヤコプが謎の小男に尼僧と共に救出され指示に従い故郷に向かうも剃刀で近親者たちを殺し回ってしまう不条理映画。タイトルの『悪魔』はこの小男で事あるごとにヤコプを力強くで引っ張り喚きたてるというのがフォーマットになっています。どちらかというと冒頭からの兵士達による精神病院襲撃の阿鼻叫喚の地獄絵図に人間の皮を被った悪魔達が多くいた様な気もします。まあ故郷の人々も踊り狂っていたり決闘したり裸になったりとしていますのでキリスト教的観念からいえばこの辺りも悪なのかもしれません。
最後に役割を果たす尼僧の美人なのか痴呆なのか恐怖で混乱しているのか名状し難い雰囲気は印象に残りました。
ポーランドの歴史、社会情勢、聖書の知識が必要そうですがあったところで楽しめるのかも謎な作品。
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