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野獣死すべしのShinMakitaのレビュー・感想・評価

野獣死すべし(1980年製作の映画)
1.9
ナポリの港町…タバコや酒の密輸が横行していたが、これが町の〈産業〉になっており、警察は手を焼いている。
主人公ルカ・アイエッロはそんな密輸業者の一人。兄のミケと組んで取引を仕切っていたが、警察に現場を嗅ぎつけられ損害が出始めていた。ミケと仲違いしているヤクザの密告のせいではと疑ったルカが密輸業者仲間ペルランテに相談すると、彼も怒り心頭、そのヤクザへの報復の手助けを約束してくれた。が、直後、ミケが何者かに暗殺されてしまう。ルカは犯人を捕らえるが、その黒幕は例のヤクザではなく、マルセイユから来たジャケンというフランス人だった。このマルセイユ野郎は最近麻薬の密輸市場開拓のためナポリに進出してきた悪党だ。しかもジャケンは手下を使い、次々と大物密輸業者たちを暗殺、ペルランテも命を狙われてしまう。ルカはペルランテと共にマルセイユ野郎を叩き潰そうと決意するが、実はペルランテは裏でジャケンと繋がっていた。脅迫され、その上愛妻アデーレも誘拐されてしまったルカは、たった一人、拳銃一丁でジャケンの組織に立ち向かうのだが…


「野獣死すべし」


以下、ネタバレ死すべし。


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1.2.サンゲリアでおなじみルチオ・フルチの作品。グロホラーのフルチにかかると、こんな渋いギャング映画も人体解体ショーになるんですな。S.クレイグ・ザラー映画と感触が似てますね。流石に子供には手は出さないけど、誘拐された嫁さんのレイプシーンはマジで戦慄。その前に麻薬の運び屋をするイングリッドという女性がバーナーで拷問されるシーンもあるんだけど、これも酷い。銃で撃たれるにしても、顔とか首とか、殺すというより壊すというような描写が連発します。人間の尊厳を奪う暴力と悪徳。マルセイユ野郎のサイコっぷりに不快度が上がりました。そんな奴を成敗するのが2枚目のルカ…ま、この主役もカッコいいんだけど、実は敵に引導を渡すのはナポリのオールド・ボスたちなんですな。TVで西部劇見ているジジイのシーンがちょいちょい挿入されてて「こいつ誰⁉︎」とずっと不思議に思ってたら、最後に疑問が氷解。この意外なクライマックスも特徴ですね。日本初上映とのことで、貴重な鑑賞体験でした。
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