ベビーパウダー山崎

フランコ・ネロとナタリー・ドロンの サタンの誘惑のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

3.5
魔女に唆されセックスして魔術に頼り少女を犯して母親を殺す神父。信仰より下半身のほうが遥かに強く、自己犠牲より利己主義なのが本質で、大罪の償いより悪魔と取引してでも生き延びることを選ぶのが人間。結局は誰もが自分が一番かわいい。シナリオはルイス・ブニュエル、そうなるとモチロン中心にあるのは「欲望」。まともであると他人を信じ込ませる仮面を簡単に剥ぎ取ってしまうのが欲望。
フランコ・ネロがどこまでも堕ちていく神父を演じていて最高。一応は罪の意識を抱えながら、苦悩して、それでも小娘とヤりたくてヤりたくてしょうがない、この生々しさ。
悪魔を召喚する儀式なども描かれていたりして、殺された母親が化けて現れるとか、あくまで現実的な人物を描きながら空想的なくだりで映画を膨らませていく、ブニュエルの尊さを加工して俗で味付けしたような「喜劇」で俺は好きだった。