くろねこヤマ子

ルートヴィヒ 完全復元版のくろねこヤマ子のレビュー・感想・評価

ルートヴィヒ 完全復元版(1972年製作の映画)
4.3
山猫の感動アゲイン。

ヴィスコンティが魅せる、
貴族社会をもう少し観たくて
頑張りました
「ルートヴィヒ」237分。
途中インターミッション有。

結果。やはり満足♪且つ、
デジタルリマスターさまさま。

じっとりとした湿度を感じる
薄暗くも煌びやかな世界を、
頭の中で何度も想い返して幸せに浸る。
動であっても静であっても
細かなところまで美しい。
本物であることの確かさ。

バイエルン国王、ルートヴィヒ2世の
即位から死までを描いた、
なかなか重苦しい歴史大作でした。

傷つくことで精神に異常をきたし、
狂気を纏っていく姿。
歯は怖いほどボロボロで
青白い吸血鬼のようなお姿なのに、
それでも見目麗しいのは
演者がヘルムート・バーガーだから?
なんて思っていたけれど、
wikiってみたらバーガーと国王様、
案外似ている。
なんだか切ない。
ぐっと真実味が増したから。

物語の合間に
関係者のインタビューが挟まれる。
重厚な空気感から薄い画面へと移る。
初めこそ違和を感じるが、
物語を追うにはとても良いというか。
落差の抜け感が巧み。

陛下にスポットを当てて観がちだけど、
取り巻く人々を追いながら
再度観てみたいと思うのは、
気づいていない何かがありそうだから。
画面目一杯の作品。(観きれない)