てる

ディレクターズ・カット JFK/特別編集版のてるのレビュー・感想・評価

3.0
ゲイリー・オールドマンだったの気づかなかったぁ……
さすがカメレオン俳優だ。
ウォッチリストには入っていたが、長尺の作品のため、尻込みして観ていなかった。安倍元首相銃撃事件もあり、少し興味が湧き、観てみることに。感想としては、いまいちといったところだった。
長い。まず、それが一番の感想だった。元々この事件に関心があったわけではなかったし、熱心に事件を追うギャリソンに全く感情移入が出来ず、終止冷めた目線で観ていた。
家庭を顧みず、世間の冷ややかな目を顧みず、何年も前の済んだ事件を調べ続け、離れていく仲間がいようと、陰謀論を貫き通す正義漢。その熱意は尊敬に値する。確かに、言われてみれば不審な点は多い。陰謀論を説きたくなるのもわかる。最後のケビン・コスナーの演説は凄い熱量だった。気持ちが揺れた。
でもさ、自分には関係ない事件でそこまで熱くならなくてもよくない? それよりも自分自身や身の回りの大切な人を大事にした方がいいんじゃない? と思ってしまうのは私だけじゃないはず。
陰謀論を唱えて、世間では狂人だと思われ、それだけならまだしも、家族を危険に晒している。さらに、その陰謀論が本当であるならば、彼自身も、彼の周りの人たちも命を狙われる可能性があるわけだ。もし、本当に国が暗躍しているならば、国をひっくり返そうとするならば、準備が足りないのではないだろうか。殊更にメディアで騒ぎ立てるというのも作戦のうちなのかもしれないが、それだと貧弱すぎる。国と戦えるように武器も盾もしっかり準備しておかなければならない。彼にはそれが足りないように感じる。今の状態を観ると、お騒がせおじさん、オカルトおじさんの範囲を逸脱することはないだろう。
そんな風にこの作品の感想を考えていると、朝の番組で安倍元首相銃撃事件を報じているのを観た。すると、魔法の弾とか第三者の襲撃犯がいるだとかやっているではないか。真実がどこにあるのかはわからない。私たち一般庶民はメディアで報じられる結果をただただ観ることしかない。正直、個人的には陰謀があろうとなかろうとどっちでもいい。ただ、一つ言えるのは陰謀論ってロマンがあるんだろうなぁってことだ。視聴者は面白いものを求めているってことだよね。そう考えるとギャリソンは最高のエンターテイナーだね。
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