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田舎司祭の日記の10000lyfhのレビュー・感想・評価

田舎司祭の日記(1950年製作の映画)
3.0
20世紀半ば頃のフランスの寒村にて、外部の者であることの疎外感と持病に悩まされながら、職務をまっとうしようと奮闘する若い司祭の肖像。ストイックなまでに徹底したリアリズムが特徴的で、一足先に始まったイタリアのネオレアリズモの影響が見られる。フランス映画界では、商業化しつつあった詩的リアリズムへのアンチテーゼで、ヌーヴェルヴァーグへの布石。主人公が聖職者としてのあり方を自問するさまは、私を含め一般人には感情移入しにくいだろうが、大部分の観客に客観的視点を持たせる狙いもあるか。終盤、村を去るあたりから、遅れてやってきた味方候補の俗人な帰還兵の村人(戦友に元聖職者の兵士もいる)、女性のために聖職者をやめ薬剤師となった同窓など、オルタナ価値観の提示がなされるが、ストーリー的には蛇足的で冗長に感じた。司祭の物悲しげな眼差しと、自転車や日記帳など質素な所持品が強く印象に残る。劇伴はフランス印象派ぽい弦楽合奏で、この側面での変革はゴダール待ち(てかゴダール偉大
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