タカシサトウ

愛する人のタカシサトウのレビュー・感想・評価

愛する人(2009年製作の映画)
4.0
 14歳という若さで出産した為、子供を養子に出されたまま、子供に会っていないカレン(アネット・ベニング)と、母に会わないで一人で生きてきた娘のエリザベス。この母子が果てして会えるのか、関われるかの物語。

 養子に出されてしまったという後悔と恐れの為に、生きづらさを抱えていたカレンが、実母の死とパコ(ジミー・スミッツ)の出会いで、娘を探そうと決心する。エリザベスも、弁護士で一流のキャリアを持って自立していたが、ふと妊娠したことにより、自分のルーツを、母を探そうと決める。

 特に、カレンが、子供に会ったら何を言われるかという恐れがありながらも、自分の過去と向き合おうとするところが秀逸だった。衝撃的な展開にはなるけれど、どういう結果になっても、分からないでいる苦しみよりも分かって行く方が安定するのだろうと思った。

 この映画も、10年くらい前に観て、2度目の鑑賞。エリザベスがどうなるかは、覚えていた。ロドリゴ・ガルシアの中では最も観やすい映画と思う(2022.8.11)。