ニトー

エイリアン・スナッチャーズのニトーのレビュー・感想・評価

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こういうどうしようもない映画をVHS画質で観るとノスタルジーに浸れる。

しかしこの映画のどうしようもなさったら本当にない。

この映画ときたら「戦争で人類滅亡しちゃいました。別の銀河(数光年先らしいんですけど、それって同じ銀河内なのでは?)の宇宙人も病(吹き替えなので、原語はもっとちゃんとしたワード使ってるのかもですが)で滅亡寸前なので人類との異種交配で存続しようぜ。そのために人類にセックスさせようぜ」

どうですかこれ。中学生並みの設定でしょう。そこで描かれる交尾の様子ときたらやたら長くて3,4回にわたって描かれる割に腰は動いてなかったりカメラアングルにしたってAVの方がよっぽど凝ってるしそのくせやたらと乳首だけは出そうとするし洋ピン特有の糞ダサいずっこけBGMが流れ出すし、中学生並みのエロ妄想と中学生並みのアダルトビデオ知識で出来上がっている始末です。

そんな映画に何故か登場しているアダム・ボールドウィン、というのも笑いどころとしてカウントできる。

そういうどうしようもない映画なのですが何故か宇宙船の模型だけやたらと凝っていて、なんかの作品の流用なんじゃないかとか思うんですよね。船内のセットはバカ殿並みなので。

いやもうね、ツッコミ出したらキリがないというか、そういうツッコミどころを笑ってあげることがむしろこの映画を楽しむためのスタンスなのではと思うわけですね。

編集とかセットとかカット割りとかサウンドエフェクトとか、そういうものの良しあしを知るための反面教師の素材としては優秀であると言えるでしょう。

冒頭のモンタージュの説明不足っぷりやジャナさんの笑ってしまう死体のポーズを何故かカメラに収め続ける謎アングル。
生殖器に遺伝子コードを移植したと言う割に、手術の映像では横隔膜付近にメスを入れているというちぐはぐっぷり。
やたらと高いベッド。
何故かジャナとトリットが起き掛けで不自然に仲が悪いし、躊躇なく瓶のようなものでトリットを殴打する勢いとか、機嫌が悪かった理由も特に説明されずに仲直りしていたり、誰がエイリアンに化けているかわからない状況で自分でも「ジャナと行動する」とか言っておいてさっそく彼女を放置しておいて彼女は殺されちゃうし。

 等々、笑える要素は結構詰まっています。


だけどまあ、敵側(一応)にも反乱分子がいて、それが誰なのかわからならいというツイストは上手く描けば面白くなりそうだったり、無駄に長くて無駄なシーンが多かったりするので、それこそトワイライトゾーン的に尺を1時間程度にして上手く編集すればそれなりに見れるものにはなりそうではあります。

それはそれで退屈なものに仕上がってしまいそうではありますが。



しかし4人のうち3人が反乱分子ってそれもはやお前が反乱分子だろ。
ニトー

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