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THX-1138のsabayamatのレビュー・感想・評価

THX-1138(1971年製作の映画)
3.9
レビュー9作目
キーワードは、万人ウケ監督の感性
言わずと知れた、いやまったく知られていないジョージルーカスのデビュー作。
今やスターウォーズのせいでしょーもない似非SFの大物監督(語弊がある?)としてのイメージしかないが、この映画で発揮されている監督の感性はすごい。

ハードな描写に低予算アートワーク。レトロフューチャーで美麗な映像美は2001年宇宙の旅にも通じる部分がある。
話としてはところどころなんでやねんというツッコミはあるが、B級映画好き的にはむしろ楽しみの1つという事で、
最後のカットは美しく、胸に熱いものが込み上げてくる。はず。

SFという舞台設定は何か(それは例えば哲学的なif)を表現するために必要十分に用いられるべきであり、その点スターウォーズにはSFを導入する必要性を感じないというか、あれはまあただの宇宙を舞台にした冒険活劇の様相を呈している。
かと思えばこんな観念しか存在しないようなSFも撮れる、なんとも両極端な監督の感性である。
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