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もののけ姫の10000lyfhのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
4.5
山犬に育てられた人間の女性・もののけ姫と動物たちが、自分たちの生きる場である自然を採鉱目的で破壊する人間たちと戦った後、共存の道を探る。主役の 2人がそれぞれの生活空間に戻りつつも絆を持ち、またコミュニティが成長を志向するさまに、自分や周囲の人たちやコミュニティ、そして世界もそうあって欲しいと願い、共感しつつ観終えた。生まれた種とアイデンティティが異なるもののけ姫、女性リーダーや、タスクとポジションをセットに男性と対等である女性たちにみられるジェンダー観など、現代的テーマのレイヤが重なり、時の経過と共にメッセージが重みを増し続けている。また、イノシシ、山犬、猩々ら動物間にも利害関係があり一枚岩でないあたり、綺麗事だけではすまない現実社会のリアルを反映するなど、様々なヴェクトルも併せ持つ。演出面では、多くの登場人物のセリフが棒読み的だが、個人的に日本の声優の大仰な演技が好きでないなので、好印象を持った。久石譲の劇伴、いつもの既聴感と安定感だが、好きな方に入る
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