えむえすぷらす

もののけ姫のえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
5.0
神話として2人の主人公を語る物語。たたら場の女性の強さ、そしてたたら場を作り売られそうな女性を保護して働く場を提供するエボシなど魅力的な登場人物がいた上で侍やエボシに技術など提供した影の存在、森の奥の神々というべき山の主の動物側の陣営の複雑な対立と同盟関係が物語を織りなしていく。

長編アニメ映画版ナウシカは原作が未完の状態で映画化されたため原作にあった複雑な対立関係は描かれていない。本作は中世日本的な世界に舞台を写してナウシカの映画化では再現されなかった複雑な世界を見事に描き切った。

唯一の不満点はエボシをたたら場の人々が信頼しているのに対してエボシの方は時に捨て駒として扱っている点ですね。エボシが担っている役割は2人に分けられていたら良かったのにとは思ったり。