児童画ベースで立体感重視のキャラデザに着物など容赦なく柄物を描く手間暇かけた作画、当時の街並みの再現(考証で死ぬ)、多く登場するモブキャラデザイン(考証で死ぬ)、加えて特殊作画パートを別ユニットで作り込む。アジア・太平洋戦争の時期の日常をよくここまで描いた作品。アニメだからできる調べて描けば世界を再現できるという特質で振り切っている。
・黒柳家は富裕か? 劇中描写としては氷式冷蔵庫やガス(トースターとコンロ)、お風呂、電灯(ひよこを育てるために白熱電球を仕込んだ巣箱を用意までしている)ので、少なくとも中流家庭よりは上かもなんでが当時は家電自動化が進んでおらずちょっとした家庭ならお手伝いさんを置いていた(現代価値換算で月給2〜4万円で衣食住保証すれば良かった)。小説家の伊藤整は妻に子供3人いて昭和19年にお手伝いさんを故郷に帰すまで(工場に勤めに行かせるから返してくれと言われた事も要因だったはず)住み込みで置いていた。彼は学校の講師や新潮社の社員になっていたりしている。金回りに苦労していた時もあって日記に書き連ねていた。彼も昭和20年には妻と彼の実家があった北海道に職を求めて疎開している。……と比較してみると当時の中流家庭以上ではあるけど富裕層だったとは到底言い切れないとわかると思う。