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ハロウィン5 ブギーマン逆襲の消費者のレビュー・感想・評価

3.9
・ジャンル
スラッシャー/サイコホラー

・あらすじ
舞台はイリノイ州の小さな町、ハドンフィールド
その地にはハロウィンの日に繰り広げられた血塗られた惨劇の歴史があった
1963年、6歳の少年が姉を惨殺
1978年、生き別れた妹を狙いその友人達を殺害
1988年、姪のあたる少女、ジェイミーを狙い邪魔者達を殺害
そして最後の事件はジェイミーがかつての伯父の如く里子として彼女を引き取った継母を殺めるという形で幕を閉じ、マイケルは警察の総攻撃を受けながらも姿を消してしまった
その1年後…
児童精神科病院に入れられていたジェイミーは犯行時の意識を失いながらも自らの凶行がトラウマとなり悪夢に苦しむ日々を過ごしていた
血の繋がらない姉、レイチェルや彼女の友人、ティナはそれでも彼女を支え続けていたのだが容態は一向に良くならずジェイミーはハロウィンが近づくと共に度々発作を起こす様になっていく…
マイケルの主治医で長きに渡って彼を止めようと奔走してきたサミュエルはそんな彼女の発作に伯父の凶行との繋がりを感じ取り情報を聞き出そうとするが心を病んで声を失った少女が簡単に協力が出来るはずもなかった
そして迎えたハロウィン当日
ジェイミーやサミュエルの不安は現実となりマイケルは再び殺戮に手を染めていき…

・感想
不死身の殺人鬼、“ブギーマン”ことマイケル・マイヤーズを描いた‘78年の名作ホラー「ハロウィン」シリーズの5作目
全く無関係の物語を描いた3作目とは異なり前作と同様、内容は正統な続編となっている

個人的には前作以上に1作目のひりついた空気感や不気味さが踏襲されていて結構楽しめた
継母を手に掛けたジェイミーがどうなるか、という点も瀕死状態のマイケルに彼女が触れてしまった為か血縁故かは分からないものの意識や感覚の奇妙なシンクロで発作を起こし危険を察知するというなかなか面白い設定になっていて見応え有り
ちゃんとバンバン人が殺されていくのも安心して観ていられる

また今作ではそれまでただ“悪魔”としてマイケルを恐れ凶行の阻止を図ってきたサミュエルが主治医として向き合い命懸けで止めようとしていたりとマイケルの悲哀も僅かながら感じられて話の重みがやや増していたのも良かった
ただだからこそ何故不死身となったのか、彼を凶行に駆り立てる怒りの源泉とは、ジェイミーがマイケルとシンクロした原因は何か、という点が触れられず終いなのは惜しい
スラッシャー映画ではあるもののホラー性も高い作品でもあるので事の背景や真相というのは示唆するくらいでも良いから描いて欲しかったところ

それでも殺害手法にあり得ない力技が見られず、より生々しい方向性を貫いていた点や少女の抱える絶望や恐怖の表現がしっかりしていた点など元来のリアルさを重視した恐怖描写
決してハッピーエンドにはさせまいという意思がかんじられる救いの無いラスト
これらが良いので満足度は高い
出来ればマイケルの焼け爛れた素顔やサミュエルが散々語ってきた虚無に満ちた目などを見せてくれていれば尚良かったかな

3作目の大失敗が嘘の様に前作も今作も上質なホラーになっていたので次作にも期待して良いよね…?
と思うけどあまりハードルを上げ過ぎず完走していくつもり
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