しゃび

風に濡れた女のしゃびのレビュー・感想・評価

風に濡れた女(2016年製作の映画)
3.5
日活ロマンポルノ45周年のリブート企画内作品。

そもそもこの企画に、日活ロマンポルノ時代の問題児であるパロディアス・ユニティ組がラインナップされてること自体が非常に感慨深い(同じサークル出身の黒沢清は当時、『女子大生 恥ずかしゼミナール』という作品を納入拒否されたことがある)。

今回の企画としては非常にバランスの良い作品だと思う。冒頭の自転車のシーンは言うまでもなく感動ものであり、小道具を上手く映画的な文法に組み込んだ良作に仕上がっている。一方で、日活ロマンポルノの鉄則である「10分に1度の絡みシーン」なども、形だけでなくきちんと企画の意に沿う形で守っている。れっきとしたポルノ映画である。監督の優れたバランス感覚が活かされた作品となっている。

それにしても大手の映画製作会社で若い映画監督を育成できるシステム、今こそ復活して欲しい。
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