前半のアホみたいなテンポの良さがどんどん失速していく。いや、カメラワーク、構図は終始キレッキレなんだけどなんか意外と中盤以降もたついちゃって「長いな…」という感じがした。たった90分なのに。妻に話がシフトしたあたりからが怪しい。十分フィルムノワールだがファム・ファタール要素が薄い……いや、薄いのか？ 潜在的にはあるか…。
とにかく前半20分くらい全ショット、カットが半端ねぇ。クレーンで上昇降下しまくり。陰影も素晴らしい。アオリ、フカンの構図も連発。エドワード・G・ロビンソンとオーソン・ウェルズの一騎打ちが凄まじい。芸達者のコンビネーション。よろずや？の親父がめちゃくちゃ良い。脇役もなかなか力のある方が多かったように感じる。あと意外と音楽良くね？
途中ウェルズが妻にホラ吹いた時の謎ストーリー、あっちの線でも普通に一本作れるなぁと思った。
