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永遠の僕たちのmakiのレビュー・感想・評価

永遠の僕たち(2011年製作の映画)
4.0

事故で両親を亡くし、葬式巡りをするイーノック(ヘンリー・ホッパー)、ダーヴィンを尊敬し虫や鳥の生き死にに興味を持つ余命3ヶ月のアナベル(ミア・ワシコウスカ)。二人から醸し出される、今にも壊れそうな若者の繊細さや透明感が映画全体に漂いつつも、「死」をめぐるそれぞれの立場や思いは悲哀に満ちているわけでもなく、かといって、ものすごく冷静に受け止めているわけでもない。それでも、幽霊のヒロシを含め、それぞれの死をめぐる想いがみずみずしく描かれている様子がとてもいい。

すぐ目の前に存在していないもの(例えば、お墓に眠る両親、匂いをかぎ分けてやってくる腐肉を食べる虫…、幽霊のヒロシもそうかも)を感じながら思いを馳せることができたら、生きることも死ぬことも、少しだけ穏やかな気持ちになれるのかもしれない。
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