このレビューはネタバレを含みます
○ヒッチコック本人も認める失敗とされた「偽回想シーン」。メイドが先に帰って来ていたら成立すらしていないことがずっと引っかかって観ていたが、こういうトリックならある意味納得。だが、これをやってしまうと、まさに何でもありになってしまう。それを1950年の映画にてちゃんと「失敗」しているのはサスペンス映画作家として誇れるところではないか。
○冒頭の引っかかりや、都合よく匿ってくれるところなどあまりハラハラ感はなく、射的の場面もその場面としては面白いメタファーになっているのにもったいない。
○主演はジェーン・ワイマンなのに、一番印象に残るのはマレーネ・ディートリッヒ。彼女が一番美しく映る衣装、照明等の画作りになっており、さすがのオーラ。