このレビューはネタバレを含みます
シュライツァー監督のザ・拉致
1988年オランダ、フランス合作。
原作ティムクラッペ。
ジョルジュシュライツァー監督、製作、脚本。
全くのノーマーク作品。本作知ったのはやはりツィッター。
触れ込みは、「スタンリーキューブリックが絶賛、サスペンス。」みたいな感じ。
そして本作リメイクされていたとのこと。未見だが存在は知っていた。
「失踪」ジェフブリッジス主演のDVDジャケット。
元ネタあったんだ、監督も同じ。
この感じロバートロドリゲスの「エルマリアッチ」系だ。
ほぼ情報入れず。新潟シネウインドへ見に行った。
あれヨーロッパの映画かあ。出てくる主役カップル見て気づく。不穏な感じ一切無し。だが、次第に感じる。
「あっこの感じ」
突然登場人物いなくなるアントニオーニ監督の「情事」の感じ?!と一瞬よぎる。見終えた後はまるで違った。「情事」の失踪とは、意味が違う気がする。アントニオーニの「情事」は、ラブのもつれから発生してる。
「ザバニシング」は、本当に拉致られてる失われ方だから。
中盤からどうなるどうなる疑問がわいてくる。
そして本作の凄い所は、なんと犯人が現れちゃいます。かなりアピール満点。素晴らしき序破急の《破》。
ここからが本作の素晴らしさ時間経過し、犯人対被害者のサスペンスたる、淡々としたやりとりが続く。
この犯人もなかなかの犯罪練習をするのだが、これが怖くて面白い。
けど、これはあるんだろうなあ。「刑事コロンボ」でも前半犯人の事件を段取りしたり、準備ドラマを描いていた。その流れではある。本作では、挨拶から犯行までストップウォッチデ時間計測しメモるというドラマ(苦笑)
ラストは、なかなかの歯切れよいバッサリ。大胆の省略。
本作のエログロ一切皆無がスタンリーキューブリックが好んだ所だろう。
サスペンス的恐怖シーンもごく一部。
見終えた後のなかなか想像をさせてしまう引き際は、なかなかよかった。
またこういう犯罪者リアルワールドにも沢山いるんだろうなあと思っちゃう。
さて
シュライツァー監督のザ・失踪
サスペンス好きの方はぜひ!