クリスマスの夜、ロンドンで無残に殺されていくサンタクロースたち。
ある者は真っ二つに、ある者は大事な部分を切断され…。
すべての謎が解けた時、ある悲劇が明らかになる。
サンタクロースが次々と虐殺されていく謎の事件を描いたスプラッターホラー。
本作はサンタクロースの衣装を着た殺人鬼ではなく、サンタ姿の人達を標的にする殺人鬼が登場するという、珍しいパターンの作品である。
サンタクロースが惨殺する映画はあれど、惨殺される映画は多くないと思います。
頭に木の杭を投げ込まれたり、便所でアソコを切られたりと、サンタは日々殺られているのに、巷からサンタの姿が消える雰囲気が無いのが如何にもB級らしくて良いです。
だが脚本の破綻具合はハンパじゃない。
それは、製作の過程で3度に渡って監督がバトンタッチされたことと無関係ではないだろう。
まるで別々の映画のフィルムを寄せ集めてきたかのような作品に仕上がっている。
ヒロインだと思ってた人物は途中で殺されてしまうし、途中から出てきた姉ちゃんが急に中心人物の扱いになったり、事件を追う影の薄い怪しい警部も活躍してるとは言い難いほど出番は少ない。
一体誰に焦点を合わせて見ればいいのか?
しかも殺されるサンタが揃いも揃ってろくでもない。
何故だか知らないけど、どいつもこいつも酔っぱらっていて不思議と路地裏にいる。
何で路地裏なんかにいるのかさっぱりわからない。
そんなわけで本作は、フィルムが完成するまで約2年を費やしたという逸話がある。
さらに出演者のアラン・レイクが、本作の劇場公開直前に自殺を遂げてしまうという曰く付きの映画でもある。
また、キャロライン・マンローが特別出演し、歌とダンスを披露している。
歌手として何枚かシングルを出しているマンローだが、映画の中で歌うのは極めて珍しい。
そして、あまり必要性のないお色気シーンも豊富で、イエス・サンタッ!!の掛け声必至。