アーリー

ダージリン急行のアーリーのレビュー・感想・評価

ダージリン急行(2007年製作の映画)
4.0
2023.10.15

ウェス・アンダーソン、インドへ行く。
またまた兄弟もの。家族とかのお話多いな。
脚本に「天才マックスの世界」のジェイソン・シュワルツマンとフランシス・コッポラの息子ロマン・コッポラ。

過去一緩い作品になってる。冒頭のビル・マーレイの使い方とか。無駄遣いに見えないのは、彼のこれまでウェス作品で演じてきたキャラクターたちを思い出すからかな。ビル・マーレイってこんな感じでも輝くよなって。
 親父が亡くなってから離れ離れになった兄弟。母親は葬式に参加せず、彼らを捨ててどこかに行った。事故にあった長男フランシスが弟たちを連れてインドに行き、人生を変えようとする。

お互い信用してないと言いながら秘密をどんどん暴露していく様は笑える。信用してない相手に秘密の話をしてる時点でおかしいけど。逆にめちゃくちゃ仲良く見えるし、実際なんだかんだでノリと波長の合ういい兄弟なんやろな。
ストーリーは結局なんやったんやろうが強い。なんか三人は清々しい感じで終わるけど、その直前の謎の儀式がよくわからんすぎて、彼らは何を抱えてて何を見て何を感じて何を吹っ切ったかがよくわからん。母親もようわからんし。精神病を患ってる?知識がないからわからんけど。人生なんとかなるよ的なメッセージ作品でもなさそうやし、ようわからん。

画面の色使いはこの段階で一番華やかやったかも。あとはやっぱりカメラワーク。横に並行にスライドするカメラ。キャラや物の位置をしっかり計算して調整されてるから見ていて気持ちいい。パズルが勝手にハマっていく感覚。これがこの監督の一番の魅力かも。
ストーリー自体はよくわからんし、はっきりした終わりがないし、意味とかもなさそうやけど、画面の拘りとかカメラの動き、そしてオフビートな雰囲気が癖になる。何故か観れるし、ずっと観ていたくなる。
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