たりほssk

地下室のメロディーのたりほsskのネタバレレビュー・内容・結末

地下室のメロディー(1963年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

~この虚無感がすごい~

老獪なギャングシャルルが、人生最後にとカンヌのカジノから10億フラン強奪を企てる。服役中に知り合ったチンピラ、フランシスとその義兄ルイを仲間にその計画は、ほぼ成功したように見えたが……

究極の美形アラン・ドロンはもう最高のはまり役!燻し銀のジャン・ギャバンと並んで圧倒的な存在感同士の組み合わせでした。

シャルルがフランシスとルイに指示し、フランシスが身体を張って任務を遂行……陰影が生かされた画面や背後に流れるジャズがすごく効いてて見応えがありました。

しかしラスト!それはもっとすごかった!やってくれました~フランシス💧

もしかしてラストのこの虚無感を描くためにそれまでがあったのかと思うと、何とペシミズムに満ちた作品なんだろうと、衝撃でした……
(しかし、伏線はありましたね、出所したルイが時代遅れになっていたり、昔の仲間のマリオに断られたり、最初から不穏な雰囲気が作り出されてました)

追い詰められたフランシスが苦渋の表情で、ズリズリとバックをプールの中に入れ始めた時、(何やってんの、何やってんのこの人??)と、ものすごくハラハラしてしまった……それでもって口を真一文字に結んだままそれを見つめるシャルル……もう何も言えません😅

お金かけた特撮とか使わなくても、こんなにスリルを味わえる作品ができるなんて……これはもう人間の心理を深く理解していなければ出来ないことだと思います。
たりほssk

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