ひろ

カノンのひろのレビュー・感想・評価

カノン(1998年製作の映画)
3.5
アンゼンチン出身でフランスで活躍する鬼才ギャスパー・ノエ監督・脚本による1998年のフランス映画

たくさんフランス映画を観てきたが、ギャスパー・ノエの作品には類似品が存在しない。鬼才を通り越して変態的な発想力を持つ彼以外に、こんな作品は作ることができない。

オープニングでいきなり画面に文字が出てきて、モラルと闘い続けた男の話って言うんだから、危険な香りがプンプンしてくる。この監督の作品は、人間の狂気や暴力をオブラートに包まず表現しちゃうから、モラルという言葉からは最も遠い存在だ。

そんな監督がモラルと闘う男を描いているのは笑っちゃうが、案の定、主人公のモラルは自分よがりのモラルであって、世の中のモラルとはほど遠い。終始主人公の心の悪態が続く上に、“DANGER”という予告の後の衝撃シーンまであるので、真っ当な精神を保ちたい方はご遠慮くださいあせあせ

相変わらずかなりイカれた監督だけど、斬新な演出や効果音の使い方なんかも独特で面白い。間違いなく万人受けはしない作風だが、世の中にはこんな監督も必要なんじゃないかな

「俺は◯◯◯だ」っていう映画史に残る名セリフをお見逃しなく(笑)
ひろ

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