円柱野郎

GANTZ:Oの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

GANTZ:O(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

原作漫画は未読ながら、2011年の実写映画は観たので何となく世界観は把握している。
(実写版の方も原作とちょくちょく設定が違うようだが。)
ということで加藤がガンツに集められるくだりや、星人と戦う流れはすんなりと観られたのだけど、この辺は記憶を消されていた加藤が状況に戸惑うところやそれに対しての説明などで、一応一見さんにも配慮がされているかな。
でも作中はそういった状況や人物描写もそこそこに、ほぼ全編大阪でのバトル描写に終始していて実に潔いアクションCGアニメだと感心した次第。

看板の文字こそ違えど、リアルな道頓堀の背景とそこで繰り広げられる百鬼夜行との死闘は実に見応えがあった。
CGキャラの顔は、どちらかというと「FAINAL FANTASY」の様なCGムービー寄りで、実写のリアルさとはちょっと違うもののCGアニメとしては受け入れられる感じ。
マンガ造形の端正さをリアルに寄せればこうだろう…と思える形で落とされているかな。
ガンツスーツの質感やギミックは良くできているし、モーションキャプチャーを駆使した動作やアクション場面も実にすばらしい。

大阪の風景に妖怪が跳梁跋扈している画面が実に面白い。
個人的には、道頓堀での騒動なのに何故ぬらりひょんは通天閣から観察してるんだ!とは思わずにはいられないが、地理的な位置関係はともかく、大阪的な画面を優先すれば…まあ分からんではないか。
(原作がそうなのかなあ…?)

そんな感じで、アクション映画としては満足。
一方でドラマ部分の掘り下げはアクション展開の上で進行させるような感じになっているので、人間関係の積み重ねの部分では少々淡泊に感じた。
加藤とその他のメンバとの以前の関係性は最後に明かされるけれど、どちらかというと観客は周知の事実として観るのが正しいのかな。
山咲杏が加藤に惚れるくだりは、(人間性に魅かれたとしても)なんかすごい勢いで惚れたように見えたので、もう少し杏側の背景でも見えてればなあ…と思ったり。
というか「戦いが終わったら4人で暮らそう」って、すごい死亡フラグじゃねーか!
と思ってたらすぐ回収しやがったぞw

「100点めにゅ~」の内容から終盤の選択は読めるので、そのあたりは何とも予定調和な感じなのが「淡泊だな」と感じる所以。
でも、そういうドラマ部分をシンプルにまとめても、パラメータをアクション描写に全振りしてると感じるくらいの勢いは好きですよ。
円柱野郎

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