たらこパスタ

少年のたらこパスタのネタバレレビュー・内容・結末

少年(1983年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

シャオビー(アジャ)の幼年頃に母が再婚してから大人になるまでの話。
越してきたのが港町のため、港や海が見えるロケーションが印象的でした。台湾の気候は蒸し暑そうなことが家や学校での様子からは感じ取れるのですが、海が移る場面はどれも海の冷たくて薄暗い色が映っていて、少し寂しげな様子にみえました

シャオビー新しい家の中で行き場のない気持ちを抱えていることをしばしば感じさせつつやんちゃな学童期、グレつつある青年期、それらが日常の細やかなエピソードを積み重ねて描かれ、ラストシーンでそれらがブワッと想起させられました。
弾けとぶビー玉、投げられた靴 そういうクローズアップの映像、昔のあったことを突然思い出す時に脳内に浮かぶのは文脈からやや切り離された状態のクローズアップな気がする
ビーおじさんとシャオビーの関係性は、本当にもどかしくて、この後取り返しがつかないような事態が無いで欲しいと何度も思いました
ビーの漢字を教えるシーン、号令のアドバイスをするシーン、革靴を履いてデートにいくシャオビー、すれ違いながらも伝達が保たれていた...
夜泣き対策のシーン可愛らしくて面白かった!

この映画、シャオビーのお話ではあるのですが同時にシュウインの印象が強く深く残ります。
シュウインは多くを語らなかったけれど、彼女の助け舟のどこにもない状態とか抑圧した心理が鋭く感じさせられ、とても苦しくなりました。

余談:
シャオビー(青年期)がフンクイの少年のアチンのキャストの方だったり、童年往事にも繋がって行くように思えた日常の積み重ねなど、侯孝賢監督のその後の作品へつながって行くのかなぁと思った作品でした!
たらこパスタ

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