じぇいらふ

不安は魂を食いつくす/不安と魂のじぇいらふのレビュー・感想・評価

4.6
いわゆるニュー・ジャーマン・シネマの作家達のパイオニアの一人にもかかわらず、ほとんど観てなかったファスビンダーの代表作が劇場上映されたので観る。。。面白い!観て良かった。

ヴェンダースとはまた全然違うのね。案外わかりやすく娯楽性高めで、予測不能の展開。独特のユーモアと毒があって自分好きな感じです。ハマる作家になりそう。オススメです👍👍👍👍

不安は魂を食い尽くす~って、まるでホラー映画の題名みたいだけど、全然違います笑

🎞️ある雨の夜のバー。あきらかに不釣り合いな年配の女性が入って来る。コーラを頼む。音楽がかかる。カウンターにいた黒人の男が女性に話しかける「踊りませんか?」~はじまり

📖未亡人の掃除婦エミは、近所の酒場で年下の移民労働者の男性アリと出会う。年の差をものとせず愛し合い、結婚を決める。しかしエミの子供たちや仕事仲間、近所のお店までも、エミに対して冷ややかな態度に変わってしまう。。。というおはなし

まさかの年齢差カップルのおはなし。しかも白人女性と黒人外国人労働者の国際結婚という色々困難含みゆえ周囲の理解が得られない~酷い差別やいじわるな態度にとられるという、50年前くらいの作品ですが、多様性の実現と困難さをテーマにした極めて現代的なストーリーでした。

なんとか周囲の無理解乗り越えようと頑張る二人ですが、、、面白いのは、当時も全然問題ないじゃない~という人がいるとか、彼氏も些細なことで彼女とうまくいかなくなったりと、単なる差別問題だけじゃなくて普通に男女の恋愛ストーリーとして描かれているのがいいですね。

音楽🎵が山田洋次みたいだった笑。結構辛めの展開にもかかわらず、案外ほっこりしてる。

独特のオフビートな人物描写がなんだかアキ・カウリスマキっぽなあと思っていたら。。。なんとカウリスマキ自身がこの作品に影響受けていたのね。色々パイオニアなんですな。

このアリ役の彼氏、、、なんとファスビンダー監督の彼氏でもあったというのはびっくり⁉️

ファスビンダー面白いすね。次の『マリアブラウンの結婚』が俄然楽しみになった。👵🧔🏾‍♂️