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日本のいちばん長い夏のGaPToothのネタバレレビュー・内容・結末

日本のいちばん長い夏(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

実際には昭和38年に行われた、半藤一利さん司会による[終戦の生き証人を集めての座談会]の様子を、後日、役者さんたち(俳優・学者・ジャーナリストら)が演じて再現した作品。

登場する30人による30の視点からの「その日」が語られている。

冒頭、半藤さん(本人)からの「ポツダム宣言」に関する質問。
鈴木貫太郎内閣の書記官長だった迫水久常さん(役の人)によって、政府の上層部での検討の様子が話されている。
さらにポツダム宣言に対する記者らの質問に「重要視しない」と答えたところ、いつの間にか「黙殺」となったこと。
それがさらに、「黙殺」→「無視」→「拒絶」となってしまったことも話されている。
こんなことのせいで、アメリカが原爆を使用し、ソ連が参戦することになったとも語られている。

回天特攻隊員だった人や在ビルマの陸軍兵だった人の話もそうだが、特に沖縄白梅部隊看護婦だった人の話が、実に生々しく響く。(いずれも演者による再現)

貴重な証言集(証言自体は本物)。
たいへん興味深く観賞。
後日、半藤一利さんは、この座談会があったがゆえに「日本のいちばん長い日」を書く気になったと語っている。

半藤一利さん。2021年1月12日永眠。
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