ノッチ

ブラッディ・バースデイ/天使の顔をした悪魔の子供たちのノッチのレビュー・感想・評価

4.0
日食の同じ時間に産まれたカーティス、デビー、スティーブン。

10年後、親友になった彼らは、ゲーム感覚で殺人を開始する。

だが、高校生のジョイスは、悪魔のような彼らの行為に感づき始めた。

しかし、3人の次の標的はジョイスだったのだ……。

3人の子供達が無差別殺人鬼と化す、80年初頭の怪作スラッシャー映画。

面白い!!

前情報など一切無しに鑑賞しましたが、格段に楽しめました。

1970年6月9日の皆既月食の時に、カリフォル二ア州の小さな町で3人の子供が同時に生まれる。

後悔も良心も無く成長し、10年後に大人達を次々とジェノサイドしていくって話。

純粋な子供たちを殺人鬼に仕立て上げたまさにアンモラルな作品。

皆既月食の時に生まれた子供は何故か良心が無いという設定だ。

低予算映画ゆえのチープさは否めないが、子供であることをいいことにやりたい放題やる憎々しさ、彼らの正体に気付いてしまった主人公たちの恐怖と戦慄などがとても上手く描かれている。

子供達が大人達を血祭りに上げる作品には結構秀作が多いですが、これもそんな1本。

無邪気さを装って大人を信用させ、その陰で悪意に満ちた笑顔を浮かべながら人々をなぶり殺しにしていく様は本当に憎たらしい。

純粋な子供を殺人鬼に描いたサイコ・キラー系の一編で、グロ・ゴア場面は無いものの、バットで撲殺、縄跳びの紐で絞殺、生き埋め、銃殺など、多種多様な凶器や犯行手口が過激で陰惨です。

とにかく鬼畜ぶりが凄まじく、気に入らない人間は、親でも、教師でも、子供でも、容赦なく殺害しようとする。

こういう奴らが成長すると、『サマーキャンプ・インフェルノ』シリーズの犯人みたいになっちゃうんだろうね。

ラスト10分のバトルは、ホラー映画史に残したい名シーン。

手に汗握る展開に、もうハラハラドキドキの連続。

エロいシーンもあるし、ラストのおちはいかにもホラーといった感じでニヤリです。

今のご時世では色々と規制が掛かりそうな危ない演出のオンパレードですが、娯楽作として単純に楽しんで欲しい作品です。

ちなみに殺人犯の少女役のエリザベス・ホイは、子供のうちから女優業を辞めたらしい。

彼女は今では美容師であり、自分の子供たちと幸せに結婚しているようだ。

3人の子供達の中で一番演技が上手く、将来有望だと思ったので実に残念です。
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