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スロベニアの娼婦のemilyのレビュー・感想・評価

スロベニアの娼婦(2009年製作の映画)
2.9
“Slovenian Girl”という名前でコールガールの仕事をしている女子大生のサーシャはためたお金でマンションの一室を購入し、父親の家から出て優雅な一人暮らしを始めるが・・

 冒頭からサスペンスフルな展開が静かに彼女を追いつめ、さらに中盤から詰めの甘さからすべてが自分にのしかかってくるようになる。そんな時でも、田舎に暮らす父親はバンドを再開すると小さな閉鎖的な街でやりがいを見つけ、それなりに生き生きとした暮らしをしており、サーシャよりも青春を謳歌しているのだ。父は何も言わない。何も知らないが、少なくとも娘の変化には気が付いているはずだ。いつもと変わらない態度で、田舎に帰ってくると決めた娘を何も言わず受け入れる。セレブを夢見て、一人でマンションに暮らす生活を体を削り手に入れるが、そこにあるのは器だけである。中身が空っぽなのだ。

 お金がなくともやりたいことをやってる父親の方がずいぶん若く輝いている。そうしてセレブでなくとも田舎は温かく、大事な物はここにある。器が高級でも意味がない。中身が伴っていなければ意味がないのだ。