晩年のロミー・シュナイダーは声もかすれ気味で痛々しく、見ているだけで切なくなる。警察署(応接間)に現れたシュナイダーの「暗くして」とのセリフも物語のキャラクターとしてではなく、その姿に光を当てたくないのかと邪推してしまう。車内でシュナイダーに銃を持たせる終盤、映画そっちのけでなんだか色々と考え込んでしまった。少し前に『何かいいことないか子猫チャン』を見て、まだまだキャッキャとハシャイでいたシュナイダーから本作までの余りにも短い道のり。素晴らしい役者の始まりから終わりまでを目撃してしまったようで「映画」の恐ろしさを改めて感じた。