Taul

稲妻のTaulのレビュー・感想・評価

稲妻(1952年製作の映画)
5.0
『稲妻』VODで再鑑賞。家族も含め俗物の巣からの高峰秀子の脱出劇であり憎々しくも駄目な連中の描写が絶品。そして急に稲妻が走り涼風が吹く。あんな潔くかつ凝縮されたラストのドラマはなかなか見ない。絶頂期に向かう成瀬巳喜男。見やすく清々しさもあるので彼の世界への入り口としてもいいのでは。

『稲妻』成瀬✖︎高峰黄金コンビの戦後の本格スタート。高峰秀子は既に円熟味さえ感じる。複雑な感情を伝える時、彼女は複合的な表情を作るというよりは目の演技を中心に複数の表情を一瞬の中に目まぐるしく変化させ複雑さを見せるという技巧を持ってるようにも。視線に拘った成瀬演出のせいもあろう。

2011年3月鑑賞 DVD
2012年2月鑑賞 DVD
2020年4月鑑賞 VOD
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