カルダモン

落としもののカルダモンのレビュー・感想・評価

落としもの(2010年製作の映画)
3.5
落し物や忘れ物。これまでの人生で一体どれだけのものが自分の手から離れていったのだろう。記憶に残らない自分と関わったはずの物たち。

ちひろ美術館で開催中の『ショーン・タンの世界展』にて『lost thing』の原画を横目に短編を鑑賞するという幸せな時間を過ごした。
不思議な生き物たちが生き生きと動き回っている様は『lost thing』を読んだ人ならば誰しもが思い描いたであろう夢。
絵と漫画のハイブリットのようなショーン・タンの表現が3DCGアニメによって鮮やかに命を吹き込まれていた。欲を言えばストップモーションアニメで見てみたかったというのが本音だが、流石にそれは欲張りすぎか。スタジオライカが手掛けてくれないものか。と、さらなる夢を見る。

ところでショーン・タンの代表作『アライバル』も映像作品の話はあるようで、しかし商業的な規模は望んでいないため、目下慎重に進めている模様。サイレントアニメで作ってくれたら。と、こちらも夢を見てみる。